映画櫻の園の音楽

演劇部を舞台に女子高生の青春を描いた映画櫻の園は、多感な年ごろの少女たちの繊細な心情にマッチした音楽でも注目を集めました。なかでも、1990年版のリ・イメージ作品として公開された2008年版の主題歌は、コアな映画ファンのみならず多くの人々に今も根強い人気を誇っています。

2008年版の主題歌を歌うのは誰?

作の1990年版からキャスト・スタッフを一新して撮影された2008年版で主題歌を担当したのは、国民的ロックバンドの「スピッツ(Spitz)」です。

ボーカルで作詞・作曲を手掛ける草野マサムネ、ギター・三輪テツヤ、ベース・田村明浩、ドラムス・崎山龍男の4人から構成される「スピッツ(Spitz)」は、1991年にシングル「ヒバリのこころ」とファーストアルバム「スピッツ」を引っさげメジャーデビューを果たして以降、ヒット曲を連発し、90年代に一世を風靡しました。
草野独特の感性と世界観から生み出される美しいメロディーと透明感のある儚げな歌声は、世代を超えて日本中のファンの心を捉え続けています。

完全書き下ろしの新曲、歌に込めた想いとは?

作詞・作曲担当の草野は、映画【櫻の園】に楽曲を提供するにあたって、2008年版から参加した関えり香の脚本を読み込み、ラッシュ版に目を通したのちに制作しました。楽曲タイトルの「若葉」は、初々しいながらもたくましく成長していく少女たちの姿を予感させるに十分です。

草野本人は、思春期の「青い気持ち」を歌に込めたと語っており、事実、高校時代に誰もが経験する不安や焦燥に寄り添い、青春の一瞬の輝きを尊重した楽曲からは、揺らぐ心を抱えて未来に向かう若者たちへのメッセージを感じ取ることができます。

美しい音楽がラストを飾るガールズムービー

当時、青春ムービーといえば少年ものが王道で、少女たちの青春にスポットをあてた作品は限られていました。配給元の松竹では、汗と涙では表現できない彼女たちのデリケートな部分に踏み込み、深い文学性を持たせることに重点を置いたといいます。
「スピッツ(Spitz)」の奏でる情感豊かな可愛らしいメロディーと、禁じられた演劇を復活させるために奔走するひたむきな女子高生たちの友情がスクリーンのなかで結び付き、観る者それぞれの青春時代を思い出させることでしょう。

主題歌「若葉」は、映画櫻の園の公開に合わせて、「スピッツ(Spitz)」34枚目のシングルとして発売されました。楽曲提供者とプロデューサーが揃って「切ない」と表現する少女たちの青春映画は、若葉の頃の気持ちを忘れかけた大人にこそ必見の価値があります。