映画櫻の園の興行収入

映画の中でも最近は邦画も注目されるものが多くなり、今では漫画原作の映画が作られていることもよくあります。人気のある漫画だからといって興行収入がものすごいわけでもなく、また興行収入がすごいけれど原作の評価はいまいちといったものもあります。

ひと昔前の原作に名作がある。

たとえば「櫻の園」は吉田秋生のオムニバス漫画が1985年から1986年に白泉社から連載されました。これは名作といわれ、各方面から支持を受けています。漫画の設定では、ロシアを代表とする作家、アントン・チェーホフの「桜の園」を演じることが伝統になっている女子校が舞台となっており、そこで、少女たちの葛藤や人間心理を緻密に描いた作品となっています。少女の心理を丁寧に、繊細に描き傑作となっており、現在でも色あせずに高く評価されています。

映画化は2回

この櫻の園は1990年と、2008年に2回映画化されました。1990年の映画版では日本アカデミー賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。主演をはじめとする出演者の熱演や監督の指導、演出はもとより、漫画が連載されてから4年後とまだ日も浅く、若い子が連載を読んでいた場合はまだ「櫻の園」のタイトルも新鮮で、フレッシュ感があったと考えられます。視聴者の食いつきもよくヒットしたと言えるでしょう。

2008年版は

90年から、ずいぶん月日が経っての映画化です。当時の若い子が大人になり、原作自体を知らない若者も増えてきました。監督は同じですが役者や脚本家は変わり、リメイクではなく一新されています。より今時の、現代的な青春ものとしての内容となり、90年版ほどには話題にならなかったようです。

90年代と2000年代ではジェネレーションギャップも多くありますし、人々の感性も年代によりどうしても変わってきてしまいます。また、日本経済そのものが90年代より低迷しています。そのため、興行収入も振るわない結果となりました。しかし、観ている人はきちんと観ていますし、現代の若い子にかつての名作「櫻の園」を知るきっかけを作ってくれた作品でもあります。

とはいえ「櫻の園」は名作だから2回もスクリーンでも鑑賞できるように作られました。よって興行収入が振るわなくても時代の環境によるところも大きく失敗作とは言えませんし、2008年版が好きだという人もいるでしょう。利益にならなくとも実は取れます。名作はいつまでも語られ続けるものですので、また画面で見られる日が来るかもしれませんね。