映画櫻の園のあらすじ

吉田秋生さん原作の漫画、櫻の園は、実は同じ監督によって2度、映画化されています。1度目は、1990年に公開され、2度目は2008年に公開されました。しかし、同じタイトルが付けられていながら、2作品でストーリーの趣向などが異なっているのが面白い所です。

1990年に公開された映画のあらすじ

まず、1990年に公開された櫻の園は、一言で言うと原作漫画を忠実に再現した作りとなっています。私立櫻花学園高校演劇部では、創立記念日にチェーホフの「桜の園」を上演するのが伝統行事となっていました。

今年もそれは通常通り、行われるはずだったのですが、上演日当日、しっかり者の演劇部部長、由布子はなんとパーマをかけて部員たちの前にあらわれます。更に前日、部員の紀子がたばこを吸って補導されていたと言う衝撃の事実が発覚。動揺が広がる演劇部を舞台に、騒動を通して少女たちの葛藤や悩みなどが描かれていくと言うのが今作のあらすじです。

2008年に公開された映画のあらすじ

一方、2008年に公開された櫻の園は、漫画を原作にしながら、全く異なる作品に仕上がっています。名門お嬢様学校、櫻花学園が舞台と言うのは似たようなものです。しかし、そこでは、とある事情によりチェーホフの「桜の園」の上演が禁じられていると言う設定が、原作漫画とも、1990年に公開された映画とも異なる、今作の最大の特徴となっています。そして登場人物も、演劇部員が主体となっていると言うよりは、その学園に転校してきた元ヴァイオリニストの少女が主人公となっているのも、大きな違いです。

物語は、その転校生が、ある日、開かずの間と呼ばれている教室で、偶然、「桜の園」の台本を発見したところから始まります。かつて、その演目を上演することが、創立記念日の恒例行事となっていたことを知った彼女と友人たちは、それを復活させようと、こっそりと練習を開始します。しかし、そのことを知った教師からは、上演を猛反対されてしまいます。仕方なく、一度は諦めようとしたものの、やはり完全に諦めきることができない彼女たち。何故、「桜の園」の上演は禁止されているのか。その謎を胸に、上演復活をかけて少女たちが奔走すると言うのが、主な展開です。

それぞれの魅力について

このようにあらすじからして異なる両作品は、またその魅力も異なっています。1990年度に公開された映画については、やはり原作に忠実であること、そしてその繊細な物語を、オーディションで選出されたキャスト陣が、実にリアルに、丁寧に演じていることが最大の魅力と言えます。

一方、2008年度に公開された方については、タイトルは櫻の園でありながら、現代のエンターテインメントに基準を合わせた、いわば新しい櫻の園の世界観、物語が作り上げられているのが魅力です。